藤原養蜂場が販売する商品に関連して「西洋ミツバチ」・「日本ミツバチ」・「スズメ蜂」の3種類の蜂について説明します。
蜂の事を少し知っていただくことで、弊社こだわり商品へのご理解が深まれば幸いです。

まずは、はちみつを集めてくれるミツバチについてご説明しましょう。

日本には、大きく分けて冒頭に掲げた「西洋ミツバチ」と「日本ミツバチ」の2種類のミツバチがいます。
花の蜜を集めるミツバチの習性は、ご存じのとおり花の受粉を助け、自然環境を守り農業の生産にも役立っています。

蜂の種類

ここから藤原養蜂場で扱っている商品にかかわるハチを少し解説します!

西洋ミツバチ
西洋ミツバチ
外来種
日本ミツバチ
日本ミツバチ
在来種
オオスズメバチ
スズメ蜂(オオスズメバチ)
日本全国に分布

西洋ミツバチ

西洋ミツバチは養蜂に向いているとして、明治時代に日本に導入されました。

藤原養蜂場は創業時、日本ミツバチを飼って収入を得ておりましたが、明治の終わりに西洋ミツバチが日本に導入されると、初代藤原誠祐は早速これを購入し、研究を重ね、寒い岩手でも活躍できるミツバチヘとさらに改良を加え、種蜂の普及に尽力し、養蜂業を広める事に大きく貢献しました。

西洋ミツバチは、蜂数を多くすることができるためはちみつの生産量が多く、花別の採蜜ができます。また、環境適応力が他の種のミツバチより高く、住んでいる巣への愛着が強いことから飼育がし易いため、現在では世界中で、「養蜂」と言えばほぼ西洋ミツバチを飼育しております。

はちみつはもちろん、副産物として採れる「ローヤルゼリー」「花粉」「プロポリス」は、これまでの研究で良質のビタミン、ミネラル、アミノ酸を含んでいることが知られており、さらに人間の健康にとって有用な効果、効能が次々と報告されています。

また、西洋ミツバチの大切な役割に受粉があります。他の蜂の中にも受粉の一助を担っているものがおりますが、西洋ミツバチは非常に大きな役割を果たしており、もし彼女らがいなくなると、我々人間は野菜やくだものがほとんど食べられなくなってしまいます。

日本ミツバチ

日本に古来生息する日本ミツバチは、西洋ミツバチより巣当たりの蜂数が少なく、西洋ミツバチに比べて採蜜能力が低いため、巣に蜂蜜がたまるまで長い時間がかかります。花の季節も移り変わり、複数の花の蜜が混じりあってしまうため、日本ミツバチの蜂蜜は百花蜜となります。

また、日本ミツバチは神経質で少しでも嫌なことがあるとその巣を放棄してしまいます。このように、日本ミツバチは飼育が難しく採蜜量が少ないことから、飼育が容易で採蜜量の多い西洋ミツバチが普及していく間に、養蜂に不向きとされてしまい、長い間山間部などで細々と飼育されている程度で、日本在来種でありながら本格的な養蜂はされてきませんでした。

しかし、日本ミツバチの蜂蜜は長期間巣の中に貯蔵されていることから熟成が進み、滋味あふれる美味しい蜂蜜になります。藤原養蜂場では、この魅力ある日本ミツバチの蜂蜜に着目し、昭和の終わり頃から日本ミツバチの飼育と養蜂の研究を始めました。

こうして藤原養蜂場は、古式に則り巣を丸ごと圧搾して採る「にごり蜜」と、蜂蜜だけを採った「たれ蜜」の2種類をご用意できるようになりました。

それでは、2種類のミツバチを比較してみましょう!

西洋ミツバチ日本ミツバチ
種のちがい外来種在来種
カラダの大きさ12〜14mm10〜13mm
スズメ蜂への抵抗各個体攻撃
(まれに熱殺蜂球形成)
熱殺蜂球形成
巣への愛着比較的強い比較的弱い
蜂蜜の種類単花蜜と百花蜜百花蜜
採蜜サイクル最盛期1〜2回/週1〜2回/年
採蜜量多い少ない
国内採蜜量割合
(西洋ミツバチ:日本ミツバチ)
圧倒的に多い非常に少ない
採蜜のし易さ比較的容易比較的困難

このように、2種類のミツバチには、こんなにも違いがあるのです。

スズメ蜂

日本には16種類のスズメ蜂が生息しているそうです。その中で、藤原養蜂場のスズメ蜂製品にはキイロスズメバチ、オオスズメバチ、コガタスズメバチの3種類が使用されております。これらのスズメ蜂は藤原養蜂場に襲撃に来たところを捕獲したり、依頼されてスズメ蜂の巣の駆除を行った際に巣ごと捕獲したりし、生きたまま蜂蜜漬けにしております。

スズメ蜂は皆さまもご存知の通り、非常に強い毒の針を持ち、刺された人は命を失うこともあります。また、スズメ蜂の襲撃を受けたミツバチの巣が全滅する危険性もあり、養蜂家は全力でミツバチたちをスズメ蜂から守ります。

そんなスズメ蜂を、人間は大昔から蜂蜜や焼酎につけてそのエキスを活用したり、幼虫やさなぎを良質なタンパク質源として食してきました。

藤原養蜂場の「スズメ蜂の蜂の子原粉末」を調べたところ、必須アミノ酸8種類を含む18種類のアミノ酸をバランスよく含んでいます。このアミノ酸の中には、自律神経を調整する物質であるセロトニンを作り出すトリプトファンが含まれており、自律神経の乱れによる耳鳴りなどに有効と言えます。

一方、スズメ蜂のエキスを利用した「スズメ蜂ウォーター」や「スズメ蜂の蜂蜜漬け」は必須アミノ酸7種類を含み、タウリン、アスパラギン、アスパラギン酸はもとより、疲労回復に効果があるバリン、ロイシン、イソロイシン、また脂肪燃焼アミノ酸であるリジン、プロリン、アルギニン、アラニンも含んでいます。

ともすれば、ミツバチの敵、人間の敵と思われがちなスズメバチですが、受粉や種子拡散、害虫駆除の益虫として農業の一翼も担っており、生態系の維持にも貢献していますので、今後もうまく共存することで活用していきたいと思います。